3a:キャラメル超特急 
Sweet Candy Express
3a:プーケット
「歯が痛い」
「ハ、、、」
それだけだ、プーケットの歯医者が言ったのは。
5分後、奥歯が一本消えた。
好物の蒸しまんじゅうを買った。
瞬く間に8個減った。
喉元過ぎたら〜だろうか、満腹で苦しい腹をさすっていた。
新たに20個買った。
誰もいない貸しきりビーチで寝転がっていた。
乳児を連れた小川さん夫婦に出会った。
40過ぎのカップルで、旦那は顔色が悪い。
夫人が彼のスポークスマンだ、よくしゃべる。
「どこからなの?」
「ネパールです」
「ポカラの方には?」
「ええ、行きました」
「じゃあ、山根さんに会わなかった?」
「ええ、会いましたよ。知り合いですか?彼らにここを教えてもらったんです。いずれ来るとか言ってました」
「民芸品の買い付けうまく行ったのかな。私たちに何か伝言なかった?」
「いえ、何も。民芸品については今年はいいのがあるけど値段が高いとか言ってましたね。民芸品も出来、不出来があるんですね」
「あら、知らなかったの。民芸品の中に入れるもののことよ」
「え!」
「あら、知らなかったの」
「もしかしてハシシ、、、、」
「決まってるでしょう」
小川さんが声を荒げて口を挟んだ。
「おい、お前!」
夫人は話題を変えようともしなかった。
「この国には何でもあるから気をつけた方がいいわよ。特にバンコックではドラッグに手を出さないようにね。タクシー運転手、ホテルの従業員、通りで声をかけてくる人間を相手にしないようにね。ひどいめに遭うわよ。警察から賞金が出るからドラッグを売っておいて後で警察に通報するのよ。知らないうちにドラッグをバッグに入れられて填められた旅行者もいるらしいわよ。ここの監獄は悲惨なんだから。食事も自腹だし」
ここの監獄に入っていたのだろうかやけに詳しい。
「私たち、明後日、発つけどカタゲストハウスの201号にいるから遊びに来て」
翌夕方、小川さんのバンガローへ行った。
明かりは点いているのに声をかけても返答がない。
ドアが少し開いていた。
奥さんが乳児のバスケットに何かを隠している。
しばらくして表に出てきた。
二人とも完全にfar out(ぶ っ飛んでいる)して目が飛んでいた。
俺の頭にオウムが留まっているのか、不思議そうに彼女が見ている。
けだるそうに言った。
「明日帰るから山根さんに会ったらよろしくね」
「ええ、もし会えたら」
赤ちゃんが泣いた。
激しくなった。
二人は動こうともしない。
「泣いてますよ!」
彼らの動作がのろい。
待てなかった。
走った。
おむつに隠れて注射針が右の太股に刺さっていた。
振り返ると、目が四つある裸のマネキンが立っていた。
翌早朝、ドアを叩く音で目が覚めた。
小川さんが立っていた。
「ちょっといいか」
「ええ、」
「昨日は変なとこ見られちゃって。言い訳するつもりはないが、、実は、、、、この2年ヘロインをやってる。交通事故で腰を痛めて、、、痛み止めに、、、使い始めて、、、中毒になった。以来ここに来てはやってるんだ。その、、、、昨日のことだが、、、心配で。つまり通報されることが、、、」
「誰にも言いませんから安心してください」
「ありがとう」
彼らは昼前に出発した。
これからの一生を時間の浪費で終わらせないためにも、ヘロインから抜け出てもらいたかった。
赤ん坊をだしに、ヘロインを運ぶまで堕ちていないことを、、、、
3a:プーケット
「歯が痛い」
「ハ、、、」
それだけだ、プーケットの歯医者が言ったのは。
5分後、奥歯が一本消えた。
好物の蒸しまんじゅうを買った。
瞬く間に8個減った。
喉元過ぎたら〜だろうか、満腹で苦しい腹をさすっていた。
新たに20個買った。
誰もいない貸しきりビーチで寝転がっていた。
乳児を連れた小川さん夫婦に出会った。
40過ぎのカップルで、旦那は顔色が悪い。
夫人が彼のスポークスマンだ、よくしゃべる。
「どこからなの?」
「ネパールです」
「ポカラの方には?」
「ええ、行きました」
「じゃあ、山根さんに会わなかった?」
「ええ、会いましたよ。知り合いですか?彼らにここを教えてもらったんです。いずれ来るとか言ってました」
「民芸品の買い付けうまく行ったのかな。私たちに何か伝言なかった?」
「いえ、何も。民芸品については今年はいいのがあるけど値段が高いとか言ってましたね。民芸品も出来、不出来があるんですね」
「あら、知らなかったの。民芸品の中に入れるもののことよ」
「え!」
「あら、知らなかったの」
「もしかしてハシシ、、、、」
「決まってるでしょう」
小川さんが声を荒げて口を挟んだ。
「おい、お前!」
夫人は話題を変えようともしなかった。
「この国には何でもあるから気をつけた方がいいわよ。特にバンコックではドラッグに手を出さないようにね。タクシー運転手、ホテルの従業員、通りで声をかけてくる人間を相手にしないようにね。ひどいめに遭うわよ。警察から賞金が出るからドラッグを売っておいて後で警察に通報するのよ。知らないうちにドラッグをバッグに入れられて填められた旅行者もいるらしいわよ。ここの監獄は悲惨なんだから。食事も自腹だし」
ここの監獄に入っていたのだろうかやけに詳しい。
「私たち、明後日、発つけどカタゲストハウスの201号にいるから遊びに来て」
翌夕方、小川さんのバンガローへ行った。
明かりは点いているのに声をかけても返答がない。
ドアが少し開いていた。
奥さんが乳児のバスケットに何かを隠している。
しばらくして表に出てきた。
二人とも完全にfar out(ぶ っ飛んでいる)して目が飛んでいた。
俺の頭にオウムが留まっているのか、不思議そうに彼女が見ている。
けだるそうに言った。
「明日帰るから山根さんに会ったらよろしくね」
「ええ、もし会えたら」
赤ちゃんが泣いた。
激しくなった。
二人は動こうともしない。
「泣いてますよ!」
彼らの動作がのろい。
待てなかった。
走った。
おむつに隠れて注射針が右の太股に刺さっていた。
振り返ると、目が四つある裸のマネキンが立っていた。
翌早朝、ドアを叩く音で目が覚めた。
小川さんが立っていた。
「ちょっといいか」
「ええ、」
「昨日は変なとこ見られちゃって。言い訳するつもりはないが、、実は、、、、この2年ヘロインをやってる。交通事故で腰を痛めて、、、痛み止めに、、、使い始めて、、、中毒になった。以来ここに来てはやってるんだ。その、、、、昨日のことだが、、、心配で。つまり通報されることが、、、」
「誰にも言いませんから安心してください」
「ありがとう」
彼らは昼前に出発した。
これからの一生を時間の浪費で終わらせないためにも、ヘロインから抜け出てもらいたかった。
赤ん坊をだしに、ヘロインを運ぶまで堕ちていないことを、、、、
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