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with a little help from Stranger

68:あわてるマフィア


「お袋の情報をだしにワシントンスクウェアを爆破する信管が俺の役目だった。探せなかったのになぜアルカイナが」
「情報源はハワイ島の遊覧ヘリコプターのパイロットらしいです。幹部の親族でアラブ人ということで迫害を受けたと、聞いています。詳しくは、」
「彼等と連絡は?」
「夜半、2時56分にアラブネットテレビ・シャヒーラの2番目のコマーシャルで流れる電話番号の末尾の番号に1を足したtelで指示を受けます。何らかの事情で見過ごしたときはウェストビレッジのゲイバーの連絡員に確認します」
「マイケル、あなた、アルカイナの情報をすべてFBIに話せる?」
「はい」
「あなたの身は保護されると思う。でも私はなんとも言えない。それでも」
「僕にはそもそも未来なんて、、家族がいなくなって、、もし、少しでも覗けるなら、、いえ、覗けなくても、、いいのだけど、今ここにいれるだけで、、そう思えるだけで、、幸せな気分です。変ですね、数日前にはこんなこと」
「分かった。テロが絡んでいるからニールになるだけ早くアレンジしてもらうわ」


ジャニーニは高木との電話後、部屋に踏み込んだが既に彼の姿はなかった。
しかし、その後すぐ別の情報屋から、山岡を見かけたイラク人タクシー運転手がいると、連絡があった。

「で、、どこで山岡を」
「そいつ英語が駄目で、今通訳できるイラク人探しに、ミッドタウンの電気屋に向かってます」
「英語がしゃべれねぇでどうしてタクシー運転手できんだ、馬鹿!」
「とにかくすぐ連絡しますから」

情報屋はまだオープンしていない電気屋のドアを蹴り割って寝ていた中近東風の男をたたき起こした。

通訳  「男はキャナル通りを東に餓鬼と歩いていた」
情報屋 「餓鬼?」
通訳  「ああ、餓鬼だよ」
情報屋 「写真の男で間違いないな」
通訳  「ああ、、」
情報屋 「いつだ」
通訳  「昨日の夜、遅かったぜ、11時か、」
情報屋 「どこのキャナルだ?」
通訳  「どこだと?マンハッタンだよ、アホかおめー」
情報屋 「馬鹿、どこの道のキャナルだ」
通訳  「あほ、どこの道!マンハッタンだと言ってるだろうが!」

情報屋はタクシー運転手の頬を殴った。

情報屋 「だからどこだ。アップタウンからダウンタウンに交差する道路があんだろう。それだ、どこだ」
通訳  「殴りやがったな、この野郎、ブロードウェイだよ、、」

情報屋は股間を鷲掴みにした
「生意気な口聞くんじゃねえ。おめえはまともな英語も話せねえのになんで客の言うことが分かんだ。
このぼけなす!今度会ったときもまだ英語話さねえならコンクリートで固めてやる!覚えとけ!」

タクシー運転手は通訳を睨んでいた。
国の丁寧な言葉を使っているのに、なぜイタリア人が怒ったのか理解できないでいた。
イラン人の店主は、店裏で熟睡しているところを叩き起こされた。
同じイスラムでも、運転手はスンニ派だった。
シーア派の俺があいつら助ける義務なんてない。


メンゲレの部屋はチャイナタウン周辺にあると、ジャニーニは推測して経緯をドン・ゴメスに伝えた。

ドンはすぐにマフィア全体がメンゲレの情報で壊滅的な状況に陥る、と警告してボナンノを除く他のNYファミリー、ジェノヴェーゼ、コロンボ、ルッチーゼのボスに、兵隊をかき集めてチャイナタウン周辺にばらまくように頼んだ。

気がかりなことがあった。議長として全米マフィア・最高会議を統括した時、議長席すぐ横の小部屋にメンゲレを置いた。その日の早朝、偶々見た銀杏に群れていた毛虫のせいだ。
足が多いのは餓鬼の頃から駄目だった。
げじ、毛虫、多分、足が3本ある奴でも発作を、ここまで誰にも悟られないように細心の注意を払ってきた。190もある大男のNY一のマフィアボスが毛虫で心臓発作、、笑われるどこじゃない、
俺のこの世での存在自体が疑われる。主治医のメンゲレ以外は妻にも知られていない。

その時の議題は将来のマフィア像、企業として合法的に生き延びる方策を具体的に話し合った。
マフィアお抱えの特定政治家達、そいつらへの献金額、大手投資会社3社の顧問の名前、バチカン銀行、支店数社を利用してのマネーロンダリング等、到底、表には出せない内容だった。それにこれまでの非合法活動、膨大な情報、、なんせ65年からの付き合いだ。公表されたら全米、シチリア、すべてのマフィアが壊滅的な状況になる

コロンボ・ボス、トーマス ブシェタから、メンゲレがボナンノ・ファミリーと密かに進めている自分の暗殺計画を知らされた時は驚愕した。
なぜ、と自問した。そして、理解した。メンゲレの親友を殺害したことを、86年だった、長男をひき殺したからだ。その時、主治医を辞めた、一方的に、、だが戻ってきた。俺を殺す為だったとは、メンゲレよ、古い友だと思っていたのにな。


コロンボ・ボス、トーマス・ブシェタはしたたかな男だった。
約半年前、メンゲレからドン・ゴメス暗殺計画を知らされて共謀に加わった。
前ボス、ガランテはハーレムギャング団の手で暗殺されていたが裏で命を下したのはドンだった。上院議員選挙に出馬したマフィアボス、の活字が連日マスコミに踊り、マフィア露出を快く思っていなかったためだ。

ブシェタはそれをおくびにも出さず、メンゲレとボナンノ・アロイの暗殺計画をドンに教えた。
ボナンノのドラッグマーケットとドンの貸しを得るのが得策だと寝返った。
二人亡き後、すべてが上手く行ったと思っていたのに、メンゲレが情報を隠している、と知らされてびびっていた。ドン暗殺共謀に加担していたことが知られたらとんでもないことになる。

吸殻が溺れ溢れている灰皿をつかんで壁に投げつけた。
灰と吸殻が八方に飛び散った。
高価な絹のぺルシア絨毯に火が点いた。
「何見てんだ!消火器をぶっかけろ!」

消火器の泡がブシェタを襲った。
泡がすべてを隠して、くれそうもなかった。

300余りの兵隊を集めて、どこのファミリーより早くメンゲレの部屋を探し出すように命令した。

午前11時にはボナンノ・ファミリーを除くNY四ファミリー、兵隊1500人余りが中国人に混ざってチャイナタウンにへばりついていた。
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