67: With a little help. テロリスト・マイケル

67:テロリスト・マイケル


「鉄二、グルービー・シャツの弁護士、ニール・ヤングに電話をした」
「弁護士に?」
「彼、FBIに知り合いがいる。私、メンゲレさんの情報で取引したいの」
「取引?」
「マイケルのことを」

いきないり名前が飛んできた。

「え!僕!何、何ですか!」

「あなたがここに居たいのなら力になれるわ。あなた次第よ」
「よしてください。なぜここに居たいなんて」
「正直に話してくれる。なぜNYに来たの?」

何だ、裁判か、、花子さん、山岡、KISS、涎をたらしてソファで寝ていた徹まで僕を、、どうしたらいいんだ。ワシントンスクウェアを爆破するつもりで来ました、どうしてそんなこと言える。
でも、そうならなくてよかった。花子さんの住所を借りて入国した。仲間だと思われてひどい目に、、それに罪のない人々を100人、それどこではない、本当によかった。それにあのジョセフ・メンゲレさん、さん、だなんて、、僕が幼馴染のルドウッィクに似ている、ナチ時代の親友だと、笑える、、大嫌いなユダヤ人に似ているなんて、、でも僕を助けようと、、似ている、それだけで、、ああ、もうこの世にいないんだ。でも花子さんと繋がっていた。そして、変な具合に、山岡にも、メンゲレさん、、どうなっているの?わずか数日でこんなに理解できないことが続くなんて。

安堵のため息を、変だ、、どうして僕はこうも人間らしくなった、テロリストだったのに。だった、、過去か、、山岡が“ど素人のテロリスト”と、馬鹿な、その時逆上したっけ。
でもイラクを滅茶苦茶にしたのはこの国だ。サダム(フセイン)崩壊後、クゥエートから故郷バグダッドに戻ってきた。アメリカのハリーバートン(Halliburton、米、石油サービス関連会社)のイラクの子会社ROOTで働いていた親父は行方が分からない。米系の会社に勤めているというだけで、、12と14の妹とお母さんは自動車爆弾でもういない。
恋人のライラは家族と共にシリアに逃れて一家を支えるためにダマスカスで娼婦に、まだ16だったのに。
2003年の戦争以来、5年間で全てを失った。結局アメリカだ、あこがれていたのに、親父がいつも聴いていたヘッド・ハンターズ(注)のウォーター・メロンマン、僕も好きだった。
無性に腹立たしかった、アメリカの曲が好きな自分に我慢できなかった。僕も変わったんだ。

ケネディ空港から市内に向かうバスから見える景色の汚さ、蝕まれている、という感じだった。くだらない国の威信に、、くすんだ曇り空に同化してかろうじて輪郭しか辿れない建物、道路も元気がない、バグダットと同じだ、違うのは空気だけだ。
いつ爆発するかも分からない状況でストレスは極限なのに、いばったアメリカ兵は虫けらを見るような目付きで僕等を蔑んだ。
NY市内に入って怒りは増幅した。高いビル、平和、綺麗、躍動感さえ、映画のニューヨークだ、憧れていた、、、喚きたくなったので平手で思いっきり右頬をなぐったっけ、すごい音が、あの時、ウオーターメロンマンの曲とシンクロした。でもおかしかった。誰も知らん振りして僕が存在していないかのようだった。馬鹿みたいな、人の通行の邪魔になっている利己的なドレス、なんだ利己的なドレスだなんて、、ホームレスがぶつかろうとしたっけ、、ドレスが睨みつけてた、、なぜ避ける、ぶつかれ、、相手が金があるんで避けたのか、ドレスをずたずたにして剥ぎ取れ、、ホームレスよ、、やっちまえ、、ホームレス、、嘘なんだ、、こんなのが歩いている、、歩けるなんて、、なんて自由、、、馬鹿、、、なんでもいいのか、、ここでは、これが、自由なのか、いや、あんたのことなんて知らないよ、、そうなんだ、、当然だ、いきなり自分の頬を殴る人間にまともな奴はいないさ、、そうさ、

ああ、、やばいぞ、僕はおかしくなってきている。

平気で罪もない人を殺すんだ、、やり放題に滅茶苦茶にして、、危険な、有毒なゴミを振りかけて知らん振りして、自分達は安全な所でのんびりと眺めてんだ、アメリカという国は、、世界中で、、自国の為なら何でもやるんだ、人命なんて眼中にないんだ。
でも彼等は違った。ナイロビで僕は花子さんの引ったくりを防いで近づいた。仕組んだものだって彼女は知っていた。なのに、僕はどうしたらいい、、素直に受け入れたい、でもそんな勇気なんてない、、あれ、、、叫んでいたのか、、心配そうに皆、僕を見ている。


「ドゴン族の太鼓が二つ、形も大きさも同じ、一つには家のシチリア・ファミリーからのサンプル・ヘロインが入っていた。もう一つには、こいつのアルカイナのC-4(プラスチック爆弾)が入っているはずだった。そんな危なっかしいのを、花子さん、あなたの住所宛に送った。こいつが受け取る予定だった。それを回収しにのこのこ来たって訳さ。だが、その太鼓を徹がすり替えた。偶然だった、、徹の友達、キャシーは俺のボスの娘、そこに偶々シチリアの太鼓があった。今、そこにある奴だ、マイケルがどう処分したのかは知らんが。俺はボスの命令でキャシーの家にあった太鼓を持ち帰って糞紐を解いて中身をボスの前で開けた。だが、何もなかった、木の屑だけ。その時までに徹が太鼓をすり替えてた」
「どうだ、マイケル、大体これでいいか?」
「、、ええ、、」
「俺はお前のことなどどうなろうが知ったこっちゃない。花子さん、徹、KISS、それにGO、彼等を巻き添えにしようとした。実行していたらどうなっていた。助けようとしている彼等に本当のことを言え。どうだ、何か叫んでいたが大丈夫か」
「今、僕はどうなってもいいと思っています。それに、何も起こらなくてよかったと心から思っています。
花子さんに近づいたのは、イラク人の僕のNY入国時に必要な確かな住所と、ドゴンの太鼓、山岡さんが何も入ってなかったと言った、それにはアルカイナがC-4を、僕は信じて、それを手に入れようと花子さんを訪ねました。太鼓にはヘロインが入ってました。そこのキャビネット裏にあります。
ワシントンスクウェアを爆破しろ、と指示を受けていました。C-4が入っていたら実行していたでしよう。現在、NYに潜伏していろ、と指示を受けています。
僕はアルカイダ系のアルカイナのテログループ一員です。
でも囮だったようです。テロを起こす実行犯がどこかに潜んでいるはずです。





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