with a little help from Stranger


59:ファイル


ヘリから突き落とされた時、人形は名前を呼んだ、“テツジ”と、火口に消えていく姿はまるでヴィーナスがハングライダーをやっているかのように華麗だった、ゆっくりと、弧を描いて。
呆然と、魅入って、、そうだった、、ヴィーナスではなかった。ここに住むペレの神だ。そうだペレの神だ。
首から上を覆っていた黒い袋が離れた。でも彼女はまだ泳いでいた、それも、火口から吹き上がる火炎で一瞬にして首が溶けるまでは、、主を失くした体はやがてキラウェアの火口に飲まれた。

怒りは無かった。ただ、どす黒い渦、、竜巻が脳みそという脳みそを粉々に裂き、ヘドロと化したみそかすを巻き散らして駆けずり回っていた。


77年12月、俺が生まれた同じ年、、キラウェアの火口にお袋は突き落とされた、、アンブレラ銀行頭取、ビト・カンポスの娘、アントニア、、アンブレラはバチカンマネーを海外に不正投資、、カンポスもリバプール、ランコム鉄橋でがぶら下がって、82年、、ゴメスが手を、、なぜバチカンとマフィアが、、ガンビーノと菅谷組は同盟関係、、知らないはずは、、親父が何もしなかったのは、、何があった。
カンポスは、俺の爺さんか、、なぜお袋より6年も生き延びている。
82年、、同盟関係を結んだ頃だ、、娘が殺されたのによくも、、、、ガンビーノ・ゴメスと親父もどきは繋がっている、、二人がボスになれたのは、、バチカンマネーと関係が、、、

まだファイルは続いていた。

バチカンマネーの行方、、ソリダリティ、ニカラグアのソモサ崩壊後のコントラ、、、、マフィア、CIA、、ヨハネ パウロ一世はバチカン銀行の清浄化をしようとして殺害、パウロ二世が誕生、、誰がこんな
田舎芝居染みたことを信じる、、

到底、読み終える気には、、竜巻も収まっていた。
徹とマイケルに挟まれるように花子さんがソファに座っていた。

「あなたはいつここに?」
「15分ぐらいかしら。どうだったの?」
「ひどい内容です。信用できそうも、」

彼女にファイルを差し出していた

「俺だけが見ていいものでも、、そのファイルではお袋の名はアントニア、彼女の母親はエリザベス(Elzbieta)、大阪で亡くなっています、自動車事故で」
「ナチ占領下のワルシャワで行方知れずになった妹とおなじ名前、、徹の父親、マキシミリアノ・コルベの母親、クララ(Clara)はお姉さんのようね。見てもいいのね」
「ええ、」

2009.10.12 


Secret