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2:アーニー爺さん ・ スッポン

category: short story  

2:スッポン


僕はプール掃除からパン焼、皿洗い、トイレ詰まり修繕屋、つまり、なんでも屋なのだ。当然、すべてのことが出来る。ちょっと生意気な書き方、その後に、“手伝い”の一言を入れたくないのだ。実際はマリーの指示通りに動いている兵隊蟻みたいなものなのだけど。
彼は精悍な顔付き、動き、すごいバイタリティだ。丸い顔、そうだ!コアラにそっくりだ。
体はマングースに、、いや、不気味な爆弾、不発弾に近い。

「おい、ショーン、また糞詰まりだ。見て来てくれないか。ほら、スッポン(toiler plunger)。おまえはすごい奴だからな。大いに助かってるよ」
「何とでも、、マリーはこすいんだから」
「何が、、」
「ふん、、今日、もう3回目だよ。何とかならないの?便器を大きいのに変えるとかさ」
「残念だったな。あれが一番でかいサイズなんだよ」
「詰まらないような解決策はないの?」
「神様に聞いてみな?」
「トイレに行くのかな?」
「それも聞いてみな」

もう大丈夫だろう、と、水を流すと、まだ詰まっていた、ってことが、そのときの恐怖感、焦燥感ったら、
津波にいきなり襲われて流されるって、しかもその行き先が肥溜め、って感じ。
初めてマリーに糞詰まり直しを教えられたとき、例のものがあふれ出た。
そのとき、僕らは、ただ“あ、あ、あ、あ、あ、あ!”とハモった。
やっぱり万国共通、エスペラント、とりわけ最後の“あ!”の響きはスカートをはいた女性が逆さで歩いているのを見たような驚きの声。
誰もが便器の中に手を入れたくなる、いれる。でも僕は絶対にそんなことしない。
やっぱり、マリーはそのとき手を入れてあふれ出るのを防ごうとした、無駄なのに。
床にこぼれ出たソーセージを眺めてため息声で、

「ショーン、これを見過ごせる奴はすごいと思わんか」
「僕は見過ごせるよ」

そのときのマリーの嬉しそうな顔といったら、初恋の人に出会ったような、しかも80年前の、、魂胆があったのだ。
翌日から糞詰まり直しは僕の仕事になった。
“おまえはすごい奴だからな”、と必ずスッポン手渡すときに言うのだから。
これまで4回、僕も手を入れて溢れ出るのを阻止し、、、、

テーマ : 短編小説    ジャンル : 小説・文学
2009_08_19

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Author:dorock osamu
今の社会、右、左はないのでしょうが、どのような状況であれ、妥協せず、批判的な目だけは持ち続けたい人間です。お付き合い頂けたらありがたいです。

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