1:アーニー爺さん ・マリー

アーニー爺さん



1:マリー
2:スッポン
3:ロイ


lフィクションです。

1:マリー

1981年、アーニーと出会った。
年は不詳、無口、何を聞いても面倒くさそうだ。いつも、どうでも、、、いい境地にいる、ように見えた。

僕は友達のお父さんがやっている、NJ、Asbury Park(ニュージャージ、アスベリーパーク)のホテルでアルバイトもどきをやっていた。
そのホテルにはどういうわけか綺麗な25mプールがあった。1900年に建てられた古いホテルだ。しかも木造に近い8階建て、こんな遺跡のような所にお姉さん達が日光浴するようなプールが、、なんせタイルがピンク色。
彼女達の水着姿を見たいため?勘違いしないで欲しい。だって泳いでいるのは50以上のお年寄りばかりなのだ。
プールを自由に使っていい、とマリーに言われたのが発端だった。当時、小学生の僕は平泳ぎでかなりいい記録を出していたので飛びついた。これでオリンピックも夢ではない、とマジに考えていた。
説明が遅くなってしまって、マリーはこの遺物ホテルのオーナーでおなじ小学校に通う友達、ジョッシュの親父だ。
ホテルは夏季限定オープンで、客はリタイアしたお年寄りのユダヤ人、リンカーンの現代版“ユダヤ人のユダヤ人によるユダヤ人の為のホテル”をスローガンに、フロリダ、カルフォルニア、全米からやって来た。
ホテルの部屋数が250もあるのに満室になるのだから忙しいと言ったら、でも愚痴は言わなかった、耳が遠いから伝えて、と1mも離れていないのに頼まれても。
拡声器の役から裁縫の針通し、ご婦人の下着の背中のファスナー上げ、なんでもやった。これもオリンピックに行くための練習だと割り切った。
僕とジョッシュはペリーコモ(perry como, 米、歌手))のしもべ、又、説明が遅く、、ペリーコモにそっくりなのだ、マリーが、顔、姿だけではなく声までも。本人も満更でもないようで、週3日、水、金、土の夜コンサートをやっていた。
いつものことだけど、初めての客は誰もがびっくりして確認しようと誰かまわず聞くから客席が一瞬騒がしくなった。そして、マリーが、実はペリーの双子の弟のマリーコモです、とまじ顔で言って得した気分にさせる、という仕掛けだった。
今でも殆どの人がそれに疑念を抱いていないと思う。それほど瓜二つだった。
Theme: ショート・ストーリー
Genre: 小説・文学

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