わいぎぎ亀は亀ツアーデスク

5:ウイルス


鈴木、フロントから戻ってくる。

鈴木: ゆかりさん、、やっぱり、
ゆかり: もういいの、Xホテルだって、今スパイウェアから電話があったわ。もう確認したから893号室。もう来るわよ。鈴木君、あなた、ナガタ様のチェックイン頼むわよ。
鈴木:  6番の客でしょう?昨日のアライバルシートの情報読んでて何かひっかかってるんですよね。Faxで“広域暴力団”らしいので注意、ってのがあったの覚えてます、2ヶ月もたってないんじゃないかな。確  かテキヤって名前、、それに結婚式で来るってのも。暴力団に名前が” テキヤ“笑えます。普通の親なら”テキヤ“なんて付けません。
ゆかり: “テキヤ”じゃいけないわけ。
鈴木: “テキヤ“はヤクザ様の御親族で又従妹あたりになるんすよ。
ゆかり: あなたの話おかしくなるからもういい。ミスターナガタのチエックインやったら上にはさっきのキャンセルのこと巧く説明しておくけど。
鈴木:  キャンセル?ですか?何を巧く言うのか、見えませんね。
ゆかり: 馬鹿、何を見るの、、、、キャンセルをどうやって見るわけ?
鈴木:  <最近ますます意味が通じなくなったな>
あ、、、、、、あ、あ、わかった!さっきのヘラ口なぐる、あれはチャイニーズじゃないですよ。日本語で、減らず口を叩く、だ。
ゆかり: どうでもいいわ、そんなこと。
鈴木:  他のツアーデスクが敬遠したので俺たちの管轄ホテルに泊まることになったんですかね。それだけ会社がゆかりさんを信用して期待しているということですから、ここはお美しいゆかりさんが面倒見た方がいいんじゃないですか?
ゆかり: 馬鹿!もうあなた首よ。上に仕事拒否したって伝える。
鈴木:  (彼なりにかなりマジに)
ちょっと待ってください。なぜか説明しますから。たとえばですね、警察官の親父が娘に、“おまわり”って付けます?プロの野球選手の親父が息子に“タマオ”って付けます?それぐらい天文学的な確率なんですよ。
ゆかり: 警察官の娘が何だって!
鈴木:  え、、、おまわり、です。
ゆかり: おまわり?
鈴木:  はい。最後の“り”は理論とか倫理の理です。 
ゆかり: じゃ、息子は? 
鈴木:  息子って、、警察官の息子ってことですか?、、は、、“ケイジ”のことを言ってるんですか?、でもこのケースは違います。管轄が違います。警察官はおまわりさんで、刑事じゃないんです。
ゆかり: もういい!!首、首よ!
鈴木:  (神妙な顔付きで嘘を言う) 
実は僕は知ってのとおり平和的な人間ですが暴力団、やくざと聞いただけで彼らの存在が許せない部分がありまして日本にいる頃、組員を鉄パイプで殴って大怪我させたことが何度もあります。逆上して暴走してしまうんです。それが怖くてこっちに来たようなもので。ですから、もし、もしですよ、テキヤナガタがそうだったら、ゆかりさん、会社に迷惑をかけますよ。
ゆかり: (唖然として。力なく消え入りそうな声で) 
あ、、、、、そいうことがあったの、、じゃあ、、あなたには頼まないほうがいいわね、、、、
鈴木:  でしょう?ゆかりさんも暴力団と思ってたんでしょう? 
ゆかり: (あわてる)馬鹿!、ウィルスは?
鈴木:   彼にやらす気すか?名前もすごいけど遅れてきたヒッピーのアフロヘアーに敬語はめちゃくちゃ、、ここはゆかりさんが偉いし僕らより多くもらっているんですから。その、、もめそうな暴力団の客はやったほうがいいんじゃないすか?
ゆかり:  暴力団、暴力団、ってうるさいわね。ウィルスは白人だから何か気に食わないことがあっても日本語通じない振りして英語でまぐろ、、ぐろたて、、まぐれ、、、たら、、、OKよ。日本人ほとんど引くわ。ヤクザ、、イシさんでもね。
鈴木:   ヤクザイシ、、?
ゆかり:  (あわてる)
何でもない!!仮の話のわけだけど、ウィルスは日本語読めないんだからあなたが見たというFaxの内容も知らないわ。
鈴木:  どうでもいいことかもしれませんが、まぐろじゃないですよ。まつりたてたら、、、、え、、、なんだ、、まーーくりたてるですよ。でも、ゆかりさん、この前言ってましたよね。うちの白人の旦那が“最近やたらぺらぺら日本語しゃべる外人が多いんで日本語勉強しなさいなんて逆に日本人に言われた。日本語知らない振りするのも限界だ”って。
ゆかり: (独り言)
<ウイルスじゃなあ、、、、賃金アップ、昇進 、遠のくな、、、>

ウイルス、ラップを歌い体をくねらせながら現れる。

ウイルス: 参った、参った、マイケルジョーダン。ほんとに、ほんとに、マイケル冗談。しんどい、しんどい、マイケル冗談、マイケル冗談しんどいよ。繰り返す~~ 
大変だった。今トイレは駄目。臭くて駄目。下の階のトイレ詰まってどくろが出てきたんだって。2回のトイレにみんな来たんで一杯並んでるよ。神様も、イエス様も、お釈迦様も、モハメッド様も。もう待てなくてお互い殺し合いそうな顔して並んでる。やっぱり争いのない平和な世界は難しいのかな。
ゆかり: ウイルス、世界の平和はいいからここの平和よ。空港からアーリーチェックインのお客さん、ナンバー6、ミスターナガタとミセスナガタ、もう着いててもいい頃なの。チェックイン頼むわ。ホテルは向かいのXホテル。
ウイルス:くさーい大仕事してきたのに、もう仕事。コーヒー飲む時間は?
ゆかり: なし。さ、もう来るのよ。

ウイルスにナガタのアライバルシートと{滞在の手引き}を渡す。

ゆかり: 結婚式で来るの。今日、午後3時から衣装合わせ。ハピネスブライダルに確認済で午後2時40分にホテルに迎えに行くそう。明日の結婚式の予定はハピネスがやるから衣装合わせの時間だけ知らせて。チェックイン手続きして終わり。わかった。
ウイルス: OK。
ゆかり: 言葉遣いはシンプルにね。敬語を使うときはあまり深く考えないでね、とにかくシンプルに。
ウイルス: ゆかりさん、ご心配なく。最近、敬語使うの大変上手くなりましたでございます。自分でも驚くほどでございましょう。
ゆかり: (ため息を吐く)ムジンが着く頃よ。下に降りて待ってるのよ。 
   
カップル登場

鈴木: ゆかりさん、残念でした。もう来たようですよ。派手だな。多分あれ           
 カップル、少し着膨れぎみでコートを手に登場。2人とも上機嫌だがかなり汗をかいている

ながた: ろー、えぶりわん、おんりーわん、さがみーわん、おちゃーわん、
アイアム みすたーてきやながだ、、おっと、ながた、、ふろむとーきよほっかいどう。べりべりふあいん、コイン、通院、産婦人科に通院、さんきゅー、石油、ガソリン、細菌、高い、ゆあーうえるかむ、ぐっどばい、中近東、らすとさむらい、偉い、辛い、ろーどおぶざりんぐ。青はブルー、ブルーはラブ、ブルーはラブ、ブルーは、、あい、ブルーは、あい。ぷれすりー、ぷれすりーえるびす。ぶるーはわい。それにしても暑いな。ブルーは、あい。わいはぶるー。
  
戸惑った表情のウイルス、2人をデスク前の椅子に導く。ゆかりと鈴木、3人から距離を置くように奥へ移動する。

ウイルス: おはようございます。よくいらっしゃいました。ずーっとお待ち続けておりましょう。私たちが滞在中いろいろと、お手伝いさせていただきたいカメハカメ・カメハメア・ツアーズ でございましょう。わたしのお名前はウイルスと申しましょう。これがお客様の{滞在の万引き}でございましょう。オプショナルツアーのお紹介、マネーチェンジ、、お両替、おバスの乗り降ろし方、必要最小限の事がシンプルに載っていらしゃいますでしょう。どうぞ、御利用して食べましょう。

2008.11.12 


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