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さようならSTRATO

その日、中央高速は雨だった。
後部座席で怒っていやいやしている。
運転席も雨だ。
親父の葬式の時と同じだ。

家の二人の猫君、天とジュネはいつもこれに寝そべっていた、
不思議と爪も研がず。
弾かれたいと、音を出すために生まれてきたのに何年もほったらかしにされた。
それでも愚痴一つ言わず二人の相手をしてくれた。
その子ども達はもういない。

いい思い出しかない。
手放そうと決心していとおしくなった。
金のため、とは言えなかった。
音を出すために生まれてきたのだろう?
僕なんかより弾いてくれる人がいいよ。

怒っている、、と思っていた。
そうではなかった。
最後の別れを、とケースを開けた。
もう、僕にかまわずSTRATOは前を向いて自分の道を歩きだしていた。

いつも閉まりの悪いケースの留め金が勢いよく音を立てて収まった。

帰り道、車の中は大雨になっていた。

theme : ヒトリゴト
genre : 小説・文学

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