続下はわいーい33:モモ
33:モモ
ホテル横に停めていた車にビーナスが寄りかかっていた。
モモが朝の日差しを浴びている。
美しくて可愛いい、誰が見てもそう思う。
でも、モモはいつも一人だ、知っている限り友達がいなかった。
遠ざけているのか、一人でいることを好む子だった
なぜ自分の素晴らしさがわからないのだろうと、思っていた。
本当のモモは苦しんでいる、この世にいることに苦しんでいる。
「どうしたの!こんなとこに!」
「空港行くんでしょう?連れてって」
否だと言えなかった、言ったらモモが自分を永久に見放す。
「乗れよ」モモが笑った、太陽の日差しも笑っている。
モモの心に、出口に、少し入れたように感じた。
こんな笑顔を見られるなら、なんでも、したい、してやりたい、でも出来そうもない。
あのことだ、今のモモの頭の中には逆スリのことしかない。
平和なのは今だけだ、どうせ喧嘩になる、どうしてもさせないのだから。
モモが助手席に座っている。
幸せだった、ハワイに来て一番に近い。
初めて会って話したときと同じぐらい幸せだった。
多分、彼女は僕のこの気持ちなんか知らないだろう。
戸昼にスーツケースの情報を知らせるのはどうでもよくなった。
今はモモと景色、車の流れる様を見ていたかった。
うわべだけでも同じものを見ていたかった。
「純、私にとってあなたは最高にいい男よ」
過去形じゃなくてよかったと思った、、なぜそう?
「餓鬼から男に昇進したってこと?お世辞でも素直に嬉しいよ。
モモのこと気になって死にそうだったから」
モモが見た。
なんでこんな言葉を、馬鹿だな俺は。
でも出てしまう、彼女の前では。
モモの中に入りたかった、何でもいい、もっと彼女を知りたかった。
嫌なことでも、気に障ることでも、言葉を選んでいたら中には入れない。
何も考えずに、感覚で話したほうが通じる。
モモがそうだからだ。
動いている、モモと二人で、誰もいない。
普段から喋るほうではない。
自分のことなんて誰もわかってくれない、と思っている。
だから言葉を途中で投げ出す。でも、なんとなく彼女の気持ちがわかるときがある。
この前も、途中で言葉が消えた。
僕がわかろうと、理解しようとしているのは少しは通じているはずだ。
真剣に彼女のことを思っている。
それだけでもわかってくれればいいと、思っていた。
もう、そうは思わない。僕は本当に彼女のことが心配だ。
音楽も最近やっていないようだ。
繋ぎ留めていてくれたものもどうでもよくなったのか?
この数日、モモは変なことばかり言った。
動物園の亀を逃がしたい、、海で生活できる人間はわかるのよ、
宇宙人の顔の長さは左右微妙に違うのは普通じゃないから、、
私は地球に住めない宇宙人、、スーツ姿の自分は偽者、別の人間、、私を好きにならない方がいいわ、、
ルイス・エンリケとヤクザを道連れに自爆したい、、
、、、変わるのも、、変われないのも、、
今日のモモは宇宙人のTシャツだ。少し窮屈そうだ。
T-シャツを重ね着している、宇宙人にすがっている。
沢村が見たら桟橋で会ったと気付いてしまう。
薄いジャケットを脱いでモモにかけようとした。
左手が伸びてきた。前を向いたまま知らん振りしている。
手を通してくれということなのか。
肩にかけて左手を取って素手に通そうとした。
かなり際どかった、左手はハンドル、右手で必死なのに知らん振りだ。
こんな従順な彼女を見るのは初めてだ。
幸せだった、こんなことで、でも本当に幸せだった。
スピードを落としたので後続車がバンバーにぶつかるぐらい接近してくる。
なんとか左手は通し終えた。右手は無理だ。
途方にくれてジャケットも肩からぶら下がっている。
横顔が90度動いて僕を見た。
目が濡れていた。
モモがどうしたかったのか、わかった。
このまま遠くに、僕と一緒に遠くへ行ってもいいと、
「純、キスしてくれない」
触れた、止まった、時間が完璧に止まった。
死んだ、体が、脳みそが、僕が死んだ、モモの唇と触れて僕は死んだ。
片思いもここまでやれたら思い残すことはない。
途中で消えた言葉の続き
“、、変わるのも、、変われないのも、、”がわかった。
色弱、字が書けない、シンナー中毒、ではなかった。
“変わるのも、変われない自分も”、いやなのだ、
自分自身が嫌いなのだ。
クラクションの雷が落ちてきた。
ホテル横に停めていた車にビーナスが寄りかかっていた。
モモが朝の日差しを浴びている。
美しくて可愛いい、誰が見てもそう思う。
でも、モモはいつも一人だ、知っている限り友達がいなかった。
遠ざけているのか、一人でいることを好む子だった
なぜ自分の素晴らしさがわからないのだろうと、思っていた。
本当のモモは苦しんでいる、この世にいることに苦しんでいる。
「どうしたの!こんなとこに!」
「空港行くんでしょう?連れてって」
否だと言えなかった、言ったらモモが自分を永久に見放す。
「乗れよ」モモが笑った、太陽の日差しも笑っている。
モモの心に、出口に、少し入れたように感じた。
こんな笑顔を見られるなら、なんでも、したい、してやりたい、でも出来そうもない。
あのことだ、今のモモの頭の中には逆スリのことしかない。
平和なのは今だけだ、どうせ喧嘩になる、どうしてもさせないのだから。
モモが助手席に座っている。
幸せだった、ハワイに来て一番に近い。
初めて会って話したときと同じぐらい幸せだった。
多分、彼女は僕のこの気持ちなんか知らないだろう。
戸昼にスーツケースの情報を知らせるのはどうでもよくなった。
今はモモと景色、車の流れる様を見ていたかった。
うわべだけでも同じものを見ていたかった。
「純、私にとってあなたは最高にいい男よ」
過去形じゃなくてよかったと思った、、なぜそう?
「餓鬼から男に昇進したってこと?お世辞でも素直に嬉しいよ。
モモのこと気になって死にそうだったから」
モモが見た。
なんでこんな言葉を、馬鹿だな俺は。
でも出てしまう、彼女の前では。
モモの中に入りたかった、何でもいい、もっと彼女を知りたかった。
嫌なことでも、気に障ることでも、言葉を選んでいたら中には入れない。
何も考えずに、感覚で話したほうが通じる。
モモがそうだからだ。
動いている、モモと二人で、誰もいない。
普段から喋るほうではない。
自分のことなんて誰もわかってくれない、と思っている。
だから言葉を途中で投げ出す。でも、なんとなく彼女の気持ちがわかるときがある。
この前も、途中で言葉が消えた。
僕がわかろうと、理解しようとしているのは少しは通じているはずだ。
真剣に彼女のことを思っている。
それだけでもわかってくれればいいと、思っていた。
もう、そうは思わない。僕は本当に彼女のことが心配だ。
音楽も最近やっていないようだ。
繋ぎ留めていてくれたものもどうでもよくなったのか?
この数日、モモは変なことばかり言った。
動物園の亀を逃がしたい、、海で生活できる人間はわかるのよ、
宇宙人の顔の長さは左右微妙に違うのは普通じゃないから、、
私は地球に住めない宇宙人、、スーツ姿の自分は偽者、別の人間、、私を好きにならない方がいいわ、、
ルイス・エンリケとヤクザを道連れに自爆したい、、
、、、変わるのも、、変われないのも、、
今日のモモは宇宙人のTシャツだ。少し窮屈そうだ。
T-シャツを重ね着している、宇宙人にすがっている。
沢村が見たら桟橋で会ったと気付いてしまう。
薄いジャケットを脱いでモモにかけようとした。
左手が伸びてきた。前を向いたまま知らん振りしている。
手を通してくれということなのか。
肩にかけて左手を取って素手に通そうとした。
かなり際どかった、左手はハンドル、右手で必死なのに知らん振りだ。
こんな従順な彼女を見るのは初めてだ。
幸せだった、こんなことで、でも本当に幸せだった。
スピードを落としたので後続車がバンバーにぶつかるぐらい接近してくる。
なんとか左手は通し終えた。右手は無理だ。
途方にくれてジャケットも肩からぶら下がっている。
横顔が90度動いて僕を見た。
目が濡れていた。
モモがどうしたかったのか、わかった。
このまま遠くに、僕と一緒に遠くへ行ってもいいと、
「純、キスしてくれない」
触れた、止まった、時間が完璧に止まった。
死んだ、体が、脳みそが、僕が死んだ、モモの唇と触れて僕は死んだ。
片思いもここまでやれたら思い残すことはない。
途中で消えた言葉の続き
“、、変わるのも、、変われないのも、、”がわかった。
色弱、字が書けない、シンナー中毒、ではなかった。
“変わるのも、変われない自分も”、いやなのだ、
自分自身が嫌いなのだ。
クラクションの雷が落ちてきた。
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