下:19 キャラメル コカインこのエントリをはてなブックマークに登録

キャラメル超特急
Sweet Candy Express

19:コカイン

電話の後、リュウは口をヘの字にして思案している。
びっくりしたような顔でこっちを見た。

《Cafe・Shasha》にサングラスをしたニキビ面の30後半の東洋人が入ってきた。
飛龍ギャングボスの王暁達(エディ・ワンシャオター)だ。
表に背を向け、カウンターに座った。
その前の壁にはめ込まれた鏡を見ているのか、エキスプレソを注文した後も前方を直視していた。

三人は彼の存在に気づいたのだ。
ビル前に3人目の若者を残して、二人は視界から消えた。

5分後、黒のプラスチックゴミ袋を片手にぶら下げて、
ビルから出てきたお巡りがパトカーで去ったのを確認して、
若者は2ブロック先のコーヒーショップで待っているリュウに合流した。
「ポリスは黒のゴミ袋を持ってました?」
「どのくらいの重さだ?」
「片手で軽そうに持ってました。
1、2kってとこですか」
 リュウは横に座っている30前後の男に聞いた。
「飛龍の王暁達がなぜあんな所にいたと思う?」
「リーとグルだったのかな。
救急隊員がオーバドース(ドラッグの吸引過多)だと言っていた。
王暁達が残りをかっさらってリーを殺そうとしたが何かの手違いがあったのか」
「電話では、リーが逃げようとしているとか言った。
それに中継者の電話では、怪しいホームレスがロッカー前にいたそうだ。
東洋人のな。
電話してきたのは誰だ?」
「東洋人のホームレス、、、。
王暁達がいたってことはリーが教えたんだな。
他のギャングにも流してたってことも考えられないか。
電話してきたのもそいつらかもな」
「秘密が漏れてたか。
大変なことになったな。
親父に知らせる」

リュウは携帯を取った。
「親父、大変なことになった!
案良堂との運びの件、協勝堂の子飼いのギャングが知ってた。
他の組織も知ってる可能性がある。
安良堂のゴッドファーザと縁を切ったほうがいい」
「このボケが!
ヘマしやがって。
リュウ、どこのどいつが知ってるのか情報を集めろ。
いいな」 

30前後の男がリュウに言った。
「リーの連絡場所に行ってみましょうか。
盗まれたコカインか出てくるかも」

中継者から電話が入った。
「駄目だった!
ポリスに追われてホームレスを見失った!」 


俺はそ知らぬ顔をしてまたロッカー前で寝そべっていた。
若者は俺を胡散くさそうに見ながら公衆電話を使っていた。
援軍を待っているようだった。
逃げようとした時、後から右手を捕まれた。
例のうるさくきまとっていたあのお巡りだ。
「まだ居たのか。
今度は許さんぞ」 
「お巡りさん、あそこに立っている公衆電話脇の若いの、さっきニッケルかダイムバッグ(小さなプラスチックバッグ)を若い通行人に売ってましたよ。
クラック(ドラッグ)だよ。
間違いない」

若者を追いかけて走っていった。

地下一階ロッカーにある自分のバッグを目指して走った。
トイレでホームレスの服を脱ぎ捨て、サラリーマンに変身してペンシルバニア駅に向かった。
トイレで基本スタイルの禿げ親父のカツラをかぶって部屋に戻った。


7時30分になろうとしていた。 
カウンターの王暁達はエキスプレソを旨そうに飲んでいる。
数分後、店の前に止まったキャデラックに乗り込んで去っていった。
その後、耕三から電話があった。
「アラン、どうだ!
俺は、部屋に戻った」
「完璧。
今から戻る」
「909に人影がある。
リュウ達だ。
ここの玄関に誰かへばりついてるぞ。
真っ直ぐ戻ってくるなよ」
「マンハッタンのタクシー乗り継ぎの記録に挑戦でもする。
9時頃戻る」

タクシーを3台乗り換えてタイムズスクウェアで降りて地下鉄でグランドセントラル駅まで行った。
すぐ横のグランドハイアットホテルのトイレで基本スタイルに戻して部屋に向かった。

ヴィレッヂ・ポイント前に、リュウの手下らしき人影はなかった。
「耕三、彼らは?」
「30分前に明かりが消えた。
コカインを探してたようだ」
「レジナルドから電話は?」
「今のとこない。
うまく行ったのか」
「エディの姿に気づいてひどく驚いた顔をしていた。
今頃はどこのギャングが仕組んだのか調べてるはずだ。
数が多すぎて突き止めるのは不可能だろうが」
「5.5kもあったな。
質はリュウのが上か」
「数倍もピュア」
「どう分けた?」
「3kが例の黒のショルダーバッグ、指紋が付いたプラスチックバッグに詰め替えておいた。
これは部屋に隠しておく分だ。
レジナルドに注射する分500g。
飛龍ギャングに1k。
チキートに1k。
髪の毛をプラスチックバッグに入れたら完璧だ」
「アラン、プラスチックバッグの指紋は直につけよう。
気になってな。
瞬間接着剤、エイトを疑うわけじゃないがそのほうが完璧だ」
「そうする。
時間は十分あるし」

theme : 連載小説
genre : 小説・文学

この記事を見ている人は、次の記事も見ています。

ロードしています....

最新エントリー

Trackbackについて

Trackback policy - トラックバック・ポリシー

言及リンクは特に必要ありません(が承認待ちになることがあります)。初めてされる方もお気軽にどうぞー。内容が良かった場合はこちらからもトラックバックを送らせていただくことがあります。また、内容が悪質な宣伝目的やスパムと思われるものや全く関係のないトラックバックは削除します。

以上に了承された方は下記のTBアドレスを御使用ください。


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

comment

comments:
0 Responses to " 下:19 キャラメル コカイン "
Secret

dorock修

Author:dorock修
物語,音楽をとおして何かを共有できないか、心に入り込めないか探っている者です。
リンクのdorockmuzie/junkmusicをクリックしていただければ、junkな音が、

最近の記事
dorock 全作品一覧

全ての記事を表示する

CATEGORIES

MONTHLY

Ranking

ブログランキング・にほんブログ村へブログランキング

fc2
Track Back
Comment
Mail Form

名前:
メール:
件名:
本文:

you're welcome

k2

FC2ブログジャンキー

「アクセス数が全然伸びない…」そんな悩みをブログジャンキーが解決します!

RSS Link
QR
QRコード

Powered By FC2ブログ
ブログやるならFC2ブログ