2:はわいーい 組長の妾
2:組長の妾
純は走りながらウォーキーで空港のデボラを呼んだ。
「エアポート、デボラ!」
「ゴーアヘッド(Go ahead。どうぞ)」
「鍵が見つかった!」
「デボラ、客に聞いてくれ。
もうここからタクシーで運ぶしかない。
金は客が払うってことでいいか?」
「聞いてみる」
純はアロハヴィラのフロントに向かった。
レスラー並みの大男がいた。
ステロイド(筋肉増強剤)は声にも影響あるようだ。
俺より1オクターブ高い、しかもか細くトーンも高い。
円盤のピアスといい、、異性人だ。
「先ほどスーツケースの鍵で電話した東都の純です。鍵は?」
「カギー、オーーゥー、404よね。
名前は荒川ゆーみ。
ハニー、これよ」
大小さまざまな10以上の鍵に、小さなスマップの五人組のシールが2枚ずつ貼られていた。
礼を言って行こうとした俺の手首を大男が優しく引っ張った。
口は金魚になっている。
大男の名前が想像できた。
マリリン・モンロー、?
「待って。
彼女、もう発ったのね?
ペイTV(有料のケーブルテレビ代)払ってないのよ。
合計が188$なのよ」
請求書を受け取って、デボラーにウォーキーで呼びかけた。
「エアポート、デボラ」
「純、タクシーでOK!」
出発ロビーのノースウェスト前までタクシーに来てもらって」
「もう一つ!
客はペイTVの代金払ってないんだ。
188$、請求書も一緒にタクシーで送るから金もらっといて。
そのもらった金を輸送係に預けて俺の所まで届けるように言ってくれ」
「純、何!
輸送係に何!」
「うちの輸送係に頼んで188$を俺の所まで届けるように言って欲しいだ」
「何言ってるの!
鍵はタクシーよ!」
「デボラ!
鍵を忘れた404の客、ペイTV、188$払わずにチェックアウトしてるんだ!
だからその188$を客からもらってウェスタンビーチの俺の所に輸送係に頼んで届けてくれ」
デボラの親父は海兵隊員だった。
小さい頃、横須賀,米軍基地に2年程いた。
本人はしゃべれると思ってる、、2年じゃあ、日本語は無理だ。
純は英語があまり得意ではなかった。
いつも理解し合うのに数分かかっていた。
東都ハワイツアーには、日本系、中国系、ベトナム系、フィリピン系、インド系、ネパール系、ヨーロッパ系、アフリカ系、イラク系、グアテマラ系、メキシコ系、片親が米人で日本で育ったヨーロッパ系、アフリカ系。
それに仏で育った韓国系など、インターナショナルの人々で構成されていた。
込み入った話になると意思の疎通が大変だった。
おまけに彼らは日本語を話せると自負していたので始末が悪かった。
英語で簡単に通じることまで日本語を使おうとするのでますます話が噛み合わなかった。
ホテル前に駐車していたタクシーに、キーホルダーと請求書を渡してノースウェストの出発ロビーまで運ぶように頼んだ。
9時半過ぎだった。
10時までに空港は無理だ。
ウォーキーでデボラに呼びかけた。
「エアポート、デボラ、白のステーションワゴン、ライセンスナンバー(プレート)×××××××××で今、鍵送った」
純はデスクに走った。
後は何だった!
鍵だ!レンタカーの鍵だ。
それにもう一つ、部屋だ!
オーシャンフロント。
空港では難題が持ち上がっていた。
例の鍵を部屋に忘れてきた荒川由美子は、空港で東都ハワイのデボラという変な日本語を話す白人に、有料テレビ代、188$が未払いと言われて怒っていた。
デボラは一生懸命、説明した。
相手は歳、貫禄、すべて上だった。
「私はそのペイペイなんて見てないのよ!
変な言いがかりは止して。
冗談じゃないわ!
ここまで楽しかったのに最後になってこんなことを言われるなんて!」
「奥さん、少し難しかったね。
テレビ上に説明書いたの。
それを見るすぐ分かる。
でも見なかった。
それは問題ね。
188$すぐなるよ。
リモコン押すだけですぐなる。
見なくても押すだけですぐ188$」
「いい加減にしなさいよ!
私たちを誰だと思ってるの。
日本に帰って言いつけるわよ。
あなたじゃあ埒が明かないわ。
日本語をまともに話せる人はいないの!」
荒川由美子の剣幕にデボラは携帯で純に電話した。
「純、ヘルプ。
変な女、今代わる」
「はい東都の純ですが。何か?」
「あなたのフルネームを教えて」
「橋本純一ですが、何か?」
「あなた!
見てもいないのに代金を請求するなんて!
そんなことが許されるの!
今度、家のものが来るからあなたのこと言っとくわよ!
覚悟してなさい!」
荒川由美子と聞いて、彼女かな、と薄々感じてはいた。
大阪から来た50過ぎの恰幅のいい6人連れの女性ツアーのまとめ役だった。
日本からのFAXに《広域暴力団の組長の妾なのでよろしく》と書かれていた。
FAXにはその他『滞在期間は3週間でまとめ役の荒川さんはもう何度もハワイに行っているので気を使うことはあまりないと思います』とも書かれてあった。
こういうのに限ってとんでもないのが多かった。
彼女も例外ではなかった。
ホノルルに到着するや午後3時にならないとチェックインできないのに、眠いから今 すぐ部屋を用意しろと言った。
なんとかホテルに掛け合って午前9時にチェックインした部屋を見て、海が正面から見えない、ベッドが小さすぎる、ありとあらゆる難グセをつけた。
その他、もろもろのことを説明しようとすると、実際は知らないのに知っているからいいと言う。
それで問題を起こして電話してくる客だった。
黙っておけばいいものを、少々頭にきていた純は馬鹿なことを言った。
「覚悟してなさいと言うのは?
脅しでしょうか。
具体的にどう覚悟するのか言っていただけますか。
ここアメリカでは立派な犯罪行為になりますよ」
荒川由美子はそれを聞いて捨て台詞を吐いた。
「橋本純一!
これは払いません。
日本の代理店に文句言うから覚えてなさいよ。
来週、家の組の者が来るから覚悟しときなさい!」
純は走りながらウォーキーで空港のデボラを呼んだ。
「エアポート、デボラ!」
「ゴーアヘッド(Go ahead。どうぞ)」
「鍵が見つかった!」
「デボラ、客に聞いてくれ。
もうここからタクシーで運ぶしかない。
金は客が払うってことでいいか?」
「聞いてみる」
純はアロハヴィラのフロントに向かった。
レスラー並みの大男がいた。
ステロイド(筋肉増強剤)は声にも影響あるようだ。
俺より1オクターブ高い、しかもか細くトーンも高い。
円盤のピアスといい、、異性人だ。
「先ほどスーツケースの鍵で電話した東都の純です。鍵は?」
「カギー、オーーゥー、404よね。
名前は荒川ゆーみ。
ハニー、これよ」
大小さまざまな10以上の鍵に、小さなスマップの五人組のシールが2枚ずつ貼られていた。
礼を言って行こうとした俺の手首を大男が優しく引っ張った。
口は金魚になっている。
大男の名前が想像できた。
マリリン・モンロー、?
「待って。
彼女、もう発ったのね?
ペイTV(有料のケーブルテレビ代)払ってないのよ。
合計が188$なのよ」
請求書を受け取って、デボラーにウォーキーで呼びかけた。
「エアポート、デボラ」
「純、タクシーでOK!」
出発ロビーのノースウェスト前までタクシーに来てもらって」
「もう一つ!
客はペイTVの代金払ってないんだ。
188$、請求書も一緒にタクシーで送るから金もらっといて。
そのもらった金を輸送係に預けて俺の所まで届けるように言ってくれ」
「純、何!
輸送係に何!」
「うちの輸送係に頼んで188$を俺の所まで届けるように言って欲しいだ」
「何言ってるの!
鍵はタクシーよ!」
「デボラ!
鍵を忘れた404の客、ペイTV、188$払わずにチェックアウトしてるんだ!
だからその188$を客からもらってウェスタンビーチの俺の所に輸送係に頼んで届けてくれ」
デボラの親父は海兵隊員だった。
小さい頃、横須賀,米軍基地に2年程いた。
本人はしゃべれると思ってる、、2年じゃあ、日本語は無理だ。
純は英語があまり得意ではなかった。
いつも理解し合うのに数分かかっていた。
東都ハワイツアーには、日本系、中国系、ベトナム系、フィリピン系、インド系、ネパール系、ヨーロッパ系、アフリカ系、イラク系、グアテマラ系、メキシコ系、片親が米人で日本で育ったヨーロッパ系、アフリカ系。
それに仏で育った韓国系など、インターナショナルの人々で構成されていた。
込み入った話になると意思の疎通が大変だった。
おまけに彼らは日本語を話せると自負していたので始末が悪かった。
英語で簡単に通じることまで日本語を使おうとするのでますます話が噛み合わなかった。
ホテル前に駐車していたタクシーに、キーホルダーと請求書を渡してノースウェストの出発ロビーまで運ぶように頼んだ。
9時半過ぎだった。
10時までに空港は無理だ。
ウォーキーでデボラに呼びかけた。
「エアポート、デボラ、白のステーションワゴン、ライセンスナンバー(プレート)×××××××××で今、鍵送った」
純はデスクに走った。
後は何だった!
鍵だ!レンタカーの鍵だ。
それにもう一つ、部屋だ!
オーシャンフロント。
空港では難題が持ち上がっていた。
例の鍵を部屋に忘れてきた荒川由美子は、空港で東都ハワイのデボラという変な日本語を話す白人に、有料テレビ代、188$が未払いと言われて怒っていた。
デボラは一生懸命、説明した。
相手は歳、貫禄、すべて上だった。
「私はそのペイペイなんて見てないのよ!
変な言いがかりは止して。
冗談じゃないわ!
ここまで楽しかったのに最後になってこんなことを言われるなんて!」
「奥さん、少し難しかったね。
テレビ上に説明書いたの。
それを見るすぐ分かる。
でも見なかった。
それは問題ね。
188$すぐなるよ。
リモコン押すだけですぐなる。
見なくても押すだけですぐ188$」
「いい加減にしなさいよ!
私たちを誰だと思ってるの。
日本に帰って言いつけるわよ。
あなたじゃあ埒が明かないわ。
日本語をまともに話せる人はいないの!」
荒川由美子の剣幕にデボラは携帯で純に電話した。
「純、ヘルプ。
変な女、今代わる」
「はい東都の純ですが。何か?」
「あなたのフルネームを教えて」
「橋本純一ですが、何か?」
「あなた!
見てもいないのに代金を請求するなんて!
そんなことが許されるの!
今度、家のものが来るからあなたのこと言っとくわよ!
覚悟してなさい!」
荒川由美子と聞いて、彼女かな、と薄々感じてはいた。
大阪から来た50過ぎの恰幅のいい6人連れの女性ツアーのまとめ役だった。
日本からのFAXに《広域暴力団の組長の妾なのでよろしく》と書かれていた。
FAXにはその他『滞在期間は3週間でまとめ役の荒川さんはもう何度もハワイに行っているので気を使うことはあまりないと思います』とも書かれてあった。
こういうのに限ってとんでもないのが多かった。
彼女も例外ではなかった。
ホノルルに到着するや午後3時にならないとチェックインできないのに、眠いから今 すぐ部屋を用意しろと言った。
なんとかホテルに掛け合って午前9時にチェックインした部屋を見て、海が正面から見えない、ベッドが小さすぎる、ありとあらゆる難グセをつけた。
その他、もろもろのことを説明しようとすると、実際は知らないのに知っているからいいと言う。
それで問題を起こして電話してくる客だった。
黙っておけばいいものを、少々頭にきていた純は馬鹿なことを言った。
「覚悟してなさいと言うのは?
脅しでしょうか。
具体的にどう覚悟するのか言っていただけますか。
ここアメリカでは立派な犯罪行為になりますよ」
荒川由美子はそれを聞いて捨て台詞を吐いた。
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