14:偽威議員 リストカットこのエントリをはてなブックマークに登録

14:リストカット


「加賀君!
赤城君そこにいるの!」
「どちら様で?」
「サチの母親!
サチが自殺未遂を!」


「あなた方、血液は!」
「Aです」
「輸血の血が足りません!
お願いできますか」


「また君達か!」
「あなた、何を言うの!」
「君達がいると何かが起こる」
「輸血して下さったのに何を言うの!」
「、、、」


「先生、どうなのです?」
「間に合いました。
お休みになっています。
左静脈、手動脈の一部が切れてました」
「自殺を?」
「分りません」
「リストカットですか?」
「現時点では分りません。
私が昨日、話したことと関係があるかもしれません。
赤城さん、あなたの来訪のことを夕方、話しました。
動揺した様子は見られなかったのですが、、」
「やはり君だ!
赤城君、加賀君、ここから出て行て行ってくれ!
災いなんだ、君達は!
出て行け!」
「あなた!
赤城君、加賀君、ここにいて、お願い!
あなた!
いい加減にして!
あなたが出て行って!」
「何だと!」
「悪いのは私達よ!
サチのことを本当に思っていた、
サチの結婚も、、
リストカットしていたなんて、
あんなに、苦しんでいたのに、、、
何も知らなかった!
あなた、出て行って、よく考えて!
出て行ってよ!」
「何を!!」


「すいません、先生、、、」
「断定はできませんが、自殺をしようとしたのではなく手首に刃を当てている時に何かの拍子に転んだのではないかと。
左手の肘、肩、腰に打撲の跡がありました。
動脈は皮膚下6、7mmにあります。
手首を切り落とすぐらいの覚悟で切りつけなければ死ねません。
それほど人肉は柔らかくありません。
それに、鋭利でなければ、、
錆びついたカッターの刃でした。
散歩で拾っておいたのでしょうか」


「リストカットをしていたのですか?」
「知らなかった、親なのに、入院するまで。
、、情けないわ。
私達、サチのこと何も知らなかったの。
親として失格よ。
電話では余り話さなかった。
穣二さんは、いつも元気だと、、」
「お母さん、12年前、武蔵も俺も教師に何もやっていません。
サチは俺達のために穣二と結婚した。
俺は過去のことだと割り切れました。
でも、武蔵とサチのことは我慢できません。
あれだけ愛し合っていたのに、、堪りません。
火傷は穣二でしょう。
訴えないのですか?」
「、、、、、、、」
「大和、、いいよ。
今言うなよ」
「言わしてくれ。
これはお前も知らない。
小学校の時、俺はサチに会った。
転校ばかりしていました。
黒い肌が原因です。
サチと同じ小学校に約半年、通った。
サチだけでした、友達は。
いじめられているのを助けてくれました、お姉さんのようだった。
月、2回、ファニーに、、家のお袋です、、、英語を教わっていました。
本当に正義感の強い、たくましい女の子でした。
そんな子を、、ここまで、、」

theme : 連載小説
genre : 小説・文学

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