38:With a little help. メンゲレの計画 

with a little help from Stranger
38:メンゲレの計画
マイケルを部屋に残して外に出た。
知り合って半日にも満たない青年に書斎の戸棚だけは開けないで欲しいと伝えた。彼を100%信じている自分を信じた、変な言い回しだ。
彼は戸棚に目をやり、私の目に頷いた。
彼と繋がったと感じた。こちらが開けばその分、返ってくる、と、、思い込みに過ぎない、とは。
家に戻るつもりだったが、ドライバーには診療所と告げていた。
ピコにGOの携帯を教えることができてよかった。山岡に感謝しなければ、二人がまた昔のようになれば安心しておさらばできる。
運転席横のダッシュボードの身分証明、IRAQ・Ibrahim al-Jaafari,,が目に入った。
、ルドウィク、マイケルを捲き込んでしまった、、気付かれたらマフィアに追われる。
数日中にドンを殺そう。
メンゲレの計画はNY五大マフィアファミリー間の抗争を利用して組織を弱体化させることだった。その餌としてガンビーノ・ファミリーボス、ドン・ゴメス殺害は不可欠だった。
おまけに親友、ルーリード、ピコの実の父親を殺した黒幕だ。これまで集めた資料だけでも彼らは大打撃をこうむる、だが組織までは無理だった。どのファミリーも次のドンが待ち構えていた。弱体化させるにはファミリー間に、しこり、恨みを植え付けることが必要だった。
半年前、ドン殺しをコロンボ・ファミリーボス、トーマス・ブシェタ持ちかけた。
二年前、彼の妻、キャサリーンの心臓疾患の手術で知り合った。ドンを快く思っていないことを予め調べておいた。彼は知っていた、、親友が行方不明になった黒幕だと。マフィア間では周知の事実だったようだ。
一月前、表に出ることなく、ボナンノ副ボス、サルバトーレ・アロイがドンを葬ってくれる伝えた。うまく行けば、ボナンノからヘロインのマーケットも奪い取ることが出来ると。
ドン・ゴメスはクィーンズに住んでいた。ハワード・ビーチで毎年、独立記念日に主催する違法の花火大会を警察は黙認した。NY市警、FBIにとってドンは泥棒、殺し屋、詐欺師、恐喝屋でも、ここクィーンズではギャング中のギャングで、知名人、英雄だった。俳優のような顔、笑み、これだけで彼の悪口を言う人はいなかった。
1939年、8人兄弟の4番目の子どもとしてNYのロウア・イーストで生まれた。1920年、シチリアから不法入国した貧しい農夫を父に持ち、母親はスペインのカタロニア出身だった。両親は米滞在許可証を持つことなくこの世を去った。名前がスペイン系のため子どもの頃からイタリア系に喧嘩を売られて育った。しかし性格の残忍さに周りはゴメスを恐れ敬うようになっていった。
15歳でギャングメンバーになり、駆け出し時代はロウア・イーストを拠点に、強盗、恐喝、ケネディ空港トラック強奪などをやった。20、30代のとき何度かルイスバーグの連邦刑務所に服役した。
当時、この刑務所にはロバート・ケネディ司法長官のマフィア撲滅作戦のおかげで、400人以上のマフィアが常時服役していた。
その中に前コロンボ・ファミリーボス、ガランテがいた。血気盛んな若いゴメスを気に入り面倒を見た。しかし、ゴメスはガンビーノへの忠義から彼の庇護を途中で断った。以来、刑務所内で面子を潰されたガランテはゴメスをひどく憎んだ。
晩年のガランテは、選挙シーズンになると《イタリアの力》という政治団体を結成し、政治的な影響力を手に入れようと街頭に出て頻繁に演説をした。連日マスコミに顔写真が出て、マフィアの言葉、文字が、新聞、テレビをにぎわしていた。
当時のガンビーノボス、カルロ・ポンテはこれに恐怖を感じた。
1991年4月、ガランテはコロンブス・サークルで演説中、カメラマンに変装したハーレム黒人ギャング団に暗殺された。黒幕はガンビーノボス、カルロだったがFBIは立証できなかった。
当時、幹部だったトーマス・ブシェタはガランテの復讐を誓った。
ブシェタとアロイの電話をすべて録音していた。ドンの死後、全米マフィアに流せば抗争が延々と続く。
診療所からボナンノファミリー副ボス、サルバトーレ・アロイに電話をした。
「アロイさんですか?ジョセフ・メンゲレです」
「こんな朝早く、、よくかけてこれたもんだな。どうして鉄二とのランデブーを避けた?ドンが感づいたのか?」
「私事だ。悪かったと思っている。あなた方の真意がはっきりしたので二三日中に決行したい」
「殺し屋が毛虫とはな、、俺はお笑い者にはなりたくない。この件は駄目だ。毛虫とは、!」
アロイは思わず噴き出した。弾みでテーブルがよろけ、半分ほど入ったワイン・グラスが純白の絹スカーフを目指して滑ってきた。
ワインの冷たさも赤に変色したスカーフも気にならなかった。
奇声を上げて又噴き出した。
「うひゃーーーー!!!」
「何を言うんだ!いい機会だ、これを逃したらドンを殺せない。あなたのドラッグマーケットも乗っ取られる」
「毛虫が殺し屋でどうして信じろと言うんだ!」
「長年、主治医として仕えている私を信じたまえ。ドンは毛虫を見れば心臓発作を起こす」
「、、真剣なのか、、で、俺達は何をしたら?」
「毛虫を今日中に集めて明日の朝までに届けて欲しい」
「大のマフィアが毛虫集めとは、、そこまで言うのならどうやって殺すのか教えろよ」
「浴槽だ。ドンが入った浴槽に毛虫を投げ入れる」
「誰がやる?」
「私だ。あなたは毛虫を集めて欲しい。100匹は欲しい。私は動けない、、察してくれ。メデジンカルテ、カリカルテ、コロンビアのコカインはそっちの思うままになる」
38:メンゲレの計画
マイケルを部屋に残して外に出た。
知り合って半日にも満たない青年に書斎の戸棚だけは開けないで欲しいと伝えた。彼を100%信じている自分を信じた、変な言い回しだ。
彼は戸棚に目をやり、私の目に頷いた。
彼と繋がったと感じた。こちらが開けばその分、返ってくる、と、、思い込みに過ぎない、とは。
家に戻るつもりだったが、ドライバーには診療所と告げていた。
ピコにGOの携帯を教えることができてよかった。山岡に感謝しなければ、二人がまた昔のようになれば安心しておさらばできる。
運転席横のダッシュボードの身分証明、IRAQ・Ibrahim al-Jaafari,,が目に入った。
、ルドウィク、マイケルを捲き込んでしまった、、気付かれたらマフィアに追われる。
数日中にドンを殺そう。
メンゲレの計画はNY五大マフィアファミリー間の抗争を利用して組織を弱体化させることだった。その餌としてガンビーノ・ファミリーボス、ドン・ゴメス殺害は不可欠だった。
おまけに親友、ルーリード、ピコの実の父親を殺した黒幕だ。これまで集めた資料だけでも彼らは大打撃をこうむる、だが組織までは無理だった。どのファミリーも次のドンが待ち構えていた。弱体化させるにはファミリー間に、しこり、恨みを植え付けることが必要だった。
半年前、ドン殺しをコロンボ・ファミリーボス、トーマス・ブシェタ持ちかけた。
二年前、彼の妻、キャサリーンの心臓疾患の手術で知り合った。ドンを快く思っていないことを予め調べておいた。彼は知っていた、、親友が行方不明になった黒幕だと。マフィア間では周知の事実だったようだ。
一月前、表に出ることなく、ボナンノ副ボス、サルバトーレ・アロイがドンを葬ってくれる伝えた。うまく行けば、ボナンノからヘロインのマーケットも奪い取ることが出来ると。
ドン・ゴメスはクィーンズに住んでいた。ハワード・ビーチで毎年、独立記念日に主催する違法の花火大会を警察は黙認した。NY市警、FBIにとってドンは泥棒、殺し屋、詐欺師、恐喝屋でも、ここクィーンズではギャング中のギャングで、知名人、英雄だった。俳優のような顔、笑み、これだけで彼の悪口を言う人はいなかった。
1939年、8人兄弟の4番目の子どもとしてNYのロウア・イーストで生まれた。1920年、シチリアから不法入国した貧しい農夫を父に持ち、母親はスペインのカタロニア出身だった。両親は米滞在許可証を持つことなくこの世を去った。名前がスペイン系のため子どもの頃からイタリア系に喧嘩を売られて育った。しかし性格の残忍さに周りはゴメスを恐れ敬うようになっていった。
15歳でギャングメンバーになり、駆け出し時代はロウア・イーストを拠点に、強盗、恐喝、ケネディ空港トラック強奪などをやった。20、30代のとき何度かルイスバーグの連邦刑務所に服役した。
当時、この刑務所にはロバート・ケネディ司法長官のマフィア撲滅作戦のおかげで、400人以上のマフィアが常時服役していた。
その中に前コロンボ・ファミリーボス、ガランテがいた。血気盛んな若いゴメスを気に入り面倒を見た。しかし、ゴメスはガンビーノへの忠義から彼の庇護を途中で断った。以来、刑務所内で面子を潰されたガランテはゴメスをひどく憎んだ。
晩年のガランテは、選挙シーズンになると《イタリアの力》という政治団体を結成し、政治的な影響力を手に入れようと街頭に出て頻繁に演説をした。連日マスコミに顔写真が出て、マフィアの言葉、文字が、新聞、テレビをにぎわしていた。
当時のガンビーノボス、カルロ・ポンテはこれに恐怖を感じた。
1991年4月、ガランテはコロンブス・サークルで演説中、カメラマンに変装したハーレム黒人ギャング団に暗殺された。黒幕はガンビーノボス、カルロだったがFBIは立証できなかった。
当時、幹部だったトーマス・ブシェタはガランテの復讐を誓った。
ブシェタとアロイの電話をすべて録音していた。ドンの死後、全米マフィアに流せば抗争が延々と続く。
診療所からボナンノファミリー副ボス、サルバトーレ・アロイに電話をした。
「アロイさんですか?ジョセフ・メンゲレです」
「こんな朝早く、、よくかけてこれたもんだな。どうして鉄二とのランデブーを避けた?ドンが感づいたのか?」
「私事だ。悪かったと思っている。あなた方の真意がはっきりしたので二三日中に決行したい」
「殺し屋が毛虫とはな、、俺はお笑い者にはなりたくない。この件は駄目だ。毛虫とは、!」
アロイは思わず噴き出した。弾みでテーブルがよろけ、半分ほど入ったワイン・グラスが純白の絹スカーフを目指して滑ってきた。
ワインの冷たさも赤に変色したスカーフも気にならなかった。
奇声を上げて又噴き出した。
「うひゃーーーー!!!」
「何を言うんだ!いい機会だ、これを逃したらドンを殺せない。あなたのドラッグマーケットも乗っ取られる」
「毛虫が殺し屋でどうして信じろと言うんだ!」
「長年、主治医として仕えている私を信じたまえ。ドンは毛虫を見れば心臓発作を起こす」
「、、真剣なのか、、で、俺達は何をしたら?」
「毛虫を今日中に集めて明日の朝までに届けて欲しい」
「大のマフィアが毛虫集めとは、、そこまで言うのならどうやって殺すのか教えろよ」
「浴槽だ。ドンが入った浴槽に毛虫を投げ入れる」
「誰がやる?」
「私だ。あなたは毛虫を集めて欲しい。100匹は欲しい。私は動けない、、察してくれ。メデジンカルテ、カリカルテ、コロンビアのコカインはそっちの思うままになる」
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