11:偽威議員 DV ダメステック・バイオレンス

11:DV(ダメステック・バイオレンス)
「小安サチさんに面会したいのですが」
即座に返答が来た。
「その名前の患者様は当サナトリウムにはいません」
「旧姓の倉本サチではどうでしょうか?」
「そういう名前の患者様も当サナトリウムには、、」
相当、切実な顔をしていたにちがいない。
「どちら様でしょうか?」
「母の遠縁に当たります。
カルフォルニアに住んでいます。
お袋に入院しているとは聞いていたのですが、
なかなか時間を作れなくて。
今回、仕事のついでに寄ることが出来ました」。
「待っていただけますか?」
奥に消えた。
別の女性が出てきた。
「倉本サチ様は面会を許可されていません」
「一目だけでも、、。
ドアの隙間からでも、、
お願いできませんか」
「申し訳ございませんが出来かねます」
「そんなに悪いのでしょうか?」
「申し訳ございませんが、」
どうしたらいい、何か手はないのか、、
この建物にサチがいる、、手が届くところに、
F市内のホテルからサナトリウムに通った。
今日で7日目だ。
12年の長さを思えば、
おなじ建物にいるというだけで心が落ち着いた。
あれだけ気にかけていた身だしなみに無頓着になった。
受付の女性達が俺の変りようにびっくりした。
心配そうにコーヒを持って来てくれた。
あなた大丈夫?
毎日、10時から4時まで何をするでもなくソファに座っている男が大丈夫のはずがない。
でも、幸せだった。
ここから動く気はなかった。
サチのお母さんらしき人が通った。
最後に会ったのは12年前か、、、
確信がもてない、、多分そうだ。
俺に一瞥も投げなかった。
髭面では分らないか。
サチの親父とは馬が合わなかった。
彼女とはよく話をした。
3時前、彼女が玄関に向かって歩いていた。
走っていた。
「サチのお母さん?」
「どなた、、、、、」
「武蔵です」
「赤城君?」
「はい、サチの容態は?」
「まだサチのこと気に掛けてくれてたの、、」
「どうなのでしょうか?」
「、、コーヒーでも飲みましょうか?」
「何から話したらいいのかしら。
あなたが向こうに行って、サチ変ったわ。
苦しかったのでしょうね」
「、、、」
「あなた、子どもは?」
「いえ、」
「一人なの?」
「はい」
「サチはあなたがいなくなって4年後だったかしら、
結婚した。
知っていたの?」
「大和から聞きました」
「加賀君ね。
懐かしいわね。
あなた達3人仲が良かったものね。
代議士になったわね」
「はい。ここにいると、大和から聞きました」
「そう、、私、後悔しているのよ、サチの結婚。
もう取り返しがつかないけどあなたと一緒になっていたら、、」
「サチに謝りたい。
若かったです、、」
「穣二さんに撲られ、蹴られていたの」
「穣二に、、、」
「早く気づけばよかった。
あの子が苦しんでいたなんて、」
「悪いのでしょうか?」
「反応してくれない、何を言っても。
先生の話だと、人間は強烈な体験をすると、
その時のさまざまな記憶を押さえ込もう、
封じ込めようとするらしい。
感覚、情緒、感情、考え、思考の記憶、、
それらは時間に関係なく心に巣食っているらしい。
離婚してから環境が変ったので出てきたのだろう、
と言っていた。
「体の方は?」
「大丈夫。
火傷と痣はあるけど」
「火傷、、、ですか、、、」
「あなたがプレゼントしたハートのマークのペンダント、
覚えている?
あなたとサチの名前が入った?」
「はい」
「枕の中に入っていたわよ。
まだあなたのことを忘れられないのね」
「そうですか、、、」
「あなたの名前、武になっている」
「、、」
「下の蔵が欠けていたわ」
「、、、、、」
「その髪と髭面どうしたの、浮浪者、見たいよ」
「今日は何日ですか、9日ですか。
一週間、何もしていません」
「一週間?
あなた、ずっとここに?」
「断られて、、通っていました。
サチに会わないで帰れません」
「まだサチを好きなの?」
「忘れたことはありません。
サチと一緒になりたかった。
でも、何もしていないのに家裁なんて、、」
「あの教師、偉くなった。
市の教育関係の仕事している。
あなたに謝らないといけない。
主人が奔走して先生の訴えを取り下げたことになっているけど、
実際は小安代議士がやってくれた」
「どういうことです」
「赤城君、ごめんなさい。
サチと別れる条件は向こうから言い出してきたの」
「向こうから、、小安代議士
じゃあ、サチの結婚は、、」
「小安サチさんに面会したいのですが」
即座に返答が来た。
「その名前の患者様は当サナトリウムにはいません」
「旧姓の倉本サチではどうでしょうか?」
「そういう名前の患者様も当サナトリウムには、、」
相当、切実な顔をしていたにちがいない。
「どちら様でしょうか?」
「母の遠縁に当たります。
カルフォルニアに住んでいます。
お袋に入院しているとは聞いていたのですが、
なかなか時間を作れなくて。
今回、仕事のついでに寄ることが出来ました」。
「待っていただけますか?」
奥に消えた。
別の女性が出てきた。
「倉本サチ様は面会を許可されていません」
「一目だけでも、、。
ドアの隙間からでも、、
お願いできませんか」
「申し訳ございませんが出来かねます」
「そんなに悪いのでしょうか?」
「申し訳ございませんが、」
どうしたらいい、何か手はないのか、、
この建物にサチがいる、、手が届くところに、
F市内のホテルからサナトリウムに通った。
今日で7日目だ。
12年の長さを思えば、
おなじ建物にいるというだけで心が落ち着いた。
あれだけ気にかけていた身だしなみに無頓着になった。
受付の女性達が俺の変りようにびっくりした。
心配そうにコーヒを持って来てくれた。
あなた大丈夫?
毎日、10時から4時まで何をするでもなくソファに座っている男が大丈夫のはずがない。
でも、幸せだった。
ここから動く気はなかった。
サチのお母さんらしき人が通った。
最後に会ったのは12年前か、、、
確信がもてない、、多分そうだ。
俺に一瞥も投げなかった。
髭面では分らないか。
サチの親父とは馬が合わなかった。
彼女とはよく話をした。
3時前、彼女が玄関に向かって歩いていた。
走っていた。
「サチのお母さん?」
「どなた、、、、、」
「武蔵です」
「赤城君?」
「はい、サチの容態は?」
「まだサチのこと気に掛けてくれてたの、、」
「どうなのでしょうか?」
「、、コーヒーでも飲みましょうか?」
「何から話したらいいのかしら。
あなたが向こうに行って、サチ変ったわ。
苦しかったのでしょうね」
「、、、」
「あなた、子どもは?」
「いえ、」
「一人なの?」
「はい」
「サチはあなたがいなくなって4年後だったかしら、
結婚した。
知っていたの?」
「大和から聞きました」
「加賀君ね。
懐かしいわね。
あなた達3人仲が良かったものね。
代議士になったわね」
「はい。ここにいると、大和から聞きました」
「そう、、私、後悔しているのよ、サチの結婚。
もう取り返しがつかないけどあなたと一緒になっていたら、、」
「サチに謝りたい。
若かったです、、」
「穣二さんに撲られ、蹴られていたの」
「穣二に、、、」
「早く気づけばよかった。
あの子が苦しんでいたなんて、」
「悪いのでしょうか?」
「反応してくれない、何を言っても。
先生の話だと、人間は強烈な体験をすると、
その時のさまざまな記憶を押さえ込もう、
封じ込めようとするらしい。
感覚、情緒、感情、考え、思考の記憶、、
それらは時間に関係なく心に巣食っているらしい。
離婚してから環境が変ったので出てきたのだろう、
と言っていた。
「体の方は?」
「大丈夫。
火傷と痣はあるけど」
「火傷、、、ですか、、、」
「あなたがプレゼントしたハートのマークのペンダント、
覚えている?
あなたとサチの名前が入った?」
「はい」
「枕の中に入っていたわよ。
まだあなたのことを忘れられないのね」
「そうですか、、、」
「あなたの名前、武になっている」
「、、」
「下の蔵が欠けていたわ」
「、、、、、」
「その髪と髭面どうしたの、浮浪者、見たいよ」
「今日は何日ですか、9日ですか。
一週間、何もしていません」
「一週間?
あなた、ずっとここに?」
「断られて、、通っていました。
サチに会わないで帰れません」
「まだサチを好きなの?」
「忘れたことはありません。
サチと一緒になりたかった。
でも、何もしていないのに家裁なんて、、」
「あの教師、偉くなった。
市の教育関係の仕事している。
あなたに謝らないといけない。
主人が奔走して先生の訴えを取り下げたことになっているけど、
実際は小安代議士がやってくれた」
「どういうことです」
「赤城君、ごめんなさい。
サチと別れる条件は向こうから言い出してきたの」
「向こうから、、小安代議士
じゃあ、サチの結婚は、、」
- [ 偽威議員 ]

